冷凍冷蔵機器にある種の冷媒が使用されているとき別の代替冷媒を追加補充しないでください。冷媒を混ぜることは推奨されていません。元の冷媒は、適切な機器を使用して回収し、米国大気浄化法セクション608に指定されている米国環境保護庁のガイドラインに従って管理する必要があります。2つの冷媒の安全性区分が異なる場合は、新たな安全上の問題が生じる恐れもあります。
業界で一般的に使用される不燃性の冷媒混合物には、R-410A、MO99(R-438A)、R-407A、NU22B(R-422B)などのように燃焼性成分が含まれますが、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)によって不燃性(クラス1)に指定されています。
様々なサプライヤーが提供する同じ「R番号」の冷媒でも、同じ品質ではない場合があります。様々なサプライヤーの冷媒のランダムテストにより、市販の製品が冷暖房冷凍研究所(Air Conditioning, Heating, and Refrigeration Institute:AHRI)の純度、組成、水分、または空気の基準を常に満たしているとは限らないことが示されています。常に信頼できる実績のあるサプライヤーから冷媒を購入してください。
多くのHFOとHFOブレンドは、システムのレトロフィットや新規機器の両方で広く使用されています。既存システムで冷媒を使用できるか、または使用できるのは新規機器のみなのかは、安全指定に基づいて決定されます。米国暖房冷凍空調学会(American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers:ASHRAE)クラス1(不燃性)指定のHFOまたはHFOブレンドがいくつかありますが、これらの冷媒はレトロフィットや新規機器で使用されています。
R-407Cのような純粋なハイドロフルオロカーボン(HFC)は、R-22から転換するときに鉱物油からポリオールエステル(POE)への完全なオイル交換が必要ですが、「鉱物油と互換性のある」代替品には何十年にもわたって使用されてきた実績があります。何十万ものR-22エアコンシステムが、鉱物油での稼働を継続しながら、Freon™(フレオン™)MO99(R-438A)やFreon™(フレオン™)Nu-22B(R-422B)へのレトロフィットに成功しています。
新しいHVACR(暖房、換気、空調、冷凍冷蔵)システムの効率を理解して比較するには、設計、構成部品、使用する冷媒、動作条件を考慮する必要があります。エネルギー消費量を決定する要素はひとつではありません。システムをレトロフィットし、冷媒溶剤のみを変更する場合、冷媒の特性そのものに基づいて性能を比較することは合理的です。ただし、異なるシステム設計や異なる動作条件のもとで使用される異なる溶剤を比較する場合、この比較はそれほど重要ではなくなります。冷却能力やエネルギー効率の評価、環境への影響などについても、システムの総合的なフットプリントが結果を決定します。「冷媒とそのシステムの選択は、エネルギー効率と性能特性、環境への影響、社員と公共の安全、経済的考慮事項といった全体的な分析に基づいている必要があります。冷媒は、地球温暖化係数(GWP)、動作圧力、燃焼性など、ひとつの要素に基づいて選択するべきではありません」